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ロードバイクでゆるポタした日々の記録です( ´∀`)

熱中症対策に【暑さを味方につけるHEATトレーニング】を読んだ話

◯はじめに

先日走った定峰200トレースライド、2023年8月に走ったRe:足柄ろんぐ☆らいど。

どちらも気温が高く、熱中症と思われる症状が出てしまいました。

灼熱の足柄峠へ続く男坂()

 

足柄は走った時期が8月ということもあり、気温も湿度も高い中、農道を登り下りするルートを走り続けた結果、暑さを感じるどころか寒気を感じる自体に。また、定峰200は4月にしては高めの最高気温28℃を記録する中のライドでした。

 

温暖化の影響と考えられる気温上昇、毎年のように更新される最高気温、春夏秋冬のうち春と秋がどんどん短くなってきている昨今を考えると、今後夏に走る機会が増えることはほぼ確実。そして夏に走りたいのであれば、必ず暑さと向き合わざるを得ません。暑い中走りたくない‥でも、夏でも、走りたい‥!ならば体を熱に慣れさせる暑熱順化や、熱中症対策を行う必要がありますね。

ということで、参考書として【暑さを味方につける、HEATトレーニング】を読んだのでした。

 

 

熱中症とはなんぞや?

熱中症ってなんぞや?というと、体温の適正範囲である37℃を超えると、体内の水分や塩分(ナトリウム)のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かずに生じる目眩や疲労の総称なのです。

 

そもそも人間が体を動かすためには、筋肉を動かす必要があります。筋肉を動かすと熱が生じる。熱が生じると体温が上がる。体温が上がると体は適正温度を保つために、上がった体温を下げようとする(ホメオスタシス)。体温を下げるため、汗をかく。汗をかくのは、汗蒸発する際の気化熱を用いるため。この体温調節機能が正常に機能しないと熱中症に至る‥ということです。

 

厄介なのが、体温を下げるために汗をかいても、湿度が高い環境では汗をかいても蒸発しない場合があります。湿度が高く飽和ししまうからですね。結果、ただ汗をかくたけで体温が下がらず、脱水症状につながってしまう‥なんてことも。さらに熱は高い方から低い方に移動するのて、体温より外の環境の気温が高いと、【熱を体に取り込んでしまう】自体に。

 

また、汗をかいて体内の水分が減ると、心臓が一度の鼓動で送り出せる血液量が減りますが、筋肉が運動を維持するには血液が必要。だから、心拍数を上げで血液を筋肉に送り込む。心拍が上がるとどうなるか‥?【めちゃくちゃ辛い】。

 

さらに悪いことに、体内の水分量が減り、体温が上がると、余計に体温が上がりやすくなるのです。例えると‥500mlのコップに満杯の冷えた水を入れる。同じく500mlのコップに半分冷えた水を入れる。2つを同時にレンジで温めると、半分入れたコップのほうが早く温まりやすい。そう、水分量が少ないと温まりやすい。体も同じです。これはひどい

 

湿度も気温も高い。振り返るとこの2つの条件を足柄ではバッチリ満たしてしまったことが、熱中症によるDNFに繋がってたのだと考えます。気温36℃湿度高すぎぃ!は過酷‥。

Re:足柄ろんぐ☆らいどの様子:

 

 

熱中症対策に取り入れること

本を読んで取り入れようと思ったのは3点。

その1 暑熱順化

そもそも暑熱順化とは、汗をたくさんかけること、血液量が増えることを通じ、体温が上昇しにくい状態に体が慣れ、暑さに慣れることを意味します。じゃあどうすれば暑熱順化できるのかというと‥体温を上げて暑さに体を慣れさせる、のです。ロングライドの練習はロングライドをすることに通ずる考え方ですね。具体的には気温が高い日に走る、暑い部屋でズイフトする、運動した後にお風呂に入るなど。つまり、暑い部屋でズイフトを一週間同じメニューを行い、初日と最終日の心拍を比較。最終日が一番低ければ、順化したと考えてよいということです。

個人的に一週間同じメニューやるならLSDだと思ってます。高負荷なメニューだと体が暑熱順化する前にくたばりそうなので(´・ω・`)本書でも暑熱順化目的の運動内容は最大心拍の60%程度の負荷で1~2時間が望ましいとあったので、それに準じます。決してGORBYやりたくないとかそういうのではないです。ええ‥。

 

その2 体を冷やすこと

体を冷やす=体温が下がるのは周知の事実として、体のどこを冷やすと効果的か。首?頭?のんのん、腕と手です。首や頭と比べて表面積が大きいからですね。胴体?は表面積が大きいし熱を帯びているので冷えづらいのです。だから効果的なのは腕や手を冷やすこと。自転車乗っているときならボトルの水を腕にかけるのが効果的。手のひらについてもボトルの水をかけるのが吉。これについては以前からやっていたので今後も継続。でも頭から水ぶっかけるのも気持ちいい。

また、氷は溶けるときに周りの熱を奪うので、サイクルジャージのポケットにキンキンに冷えたもの‥クーリッシュや凍ったペットボトルを仕込んでおくと、熱対策、かつ、程よく解けた状態で摂取できるので良し。

その3 水分補給

個人的に一番の課題が水分補給。汗たくさんかくので、脱水状態になりやすいからですね。本書では定期的に給水すること。温度の低い水のほうが摂取量が多いとありました。なので、30分に一度、保冷ボトルに入れた水を給水するようにしようと思います。夏場のコンビニは水と氷を買ってボトルに入れておくのが効果的。

そして大事なのが電解質(ナトリウム)と糖質、塩分を摂取すること。汗には塩分が含まれているからですね。汗1Lあたり3~4gの塩分が出ていくそうな。水だけ飲むと血液内の水分量だけ増えてしまい、血液の濃さを調整するため利尿に繋がってしまう…だからこそ電解質と糖質を含むスポーツドリンクを飲む必要があったんですね。ただ注意したいのが、水分を一気に飲んでも吸収される量には限度があるということ。こまめに摂取しないと、吸収されずに尿として出て行ってしまうのです。500ml摂取するなら、一度に500mlより、100mlを5回に分けた方が吸収される、ということです。

 

◯読了した感想

熱中症対策には暑熱順化や水分補給、体を冷やすのがいいなど、以前から知ってはいたものの、仕組みについては本書を読んだことで理解できたのは大きな収穫でした。今後の夏ライドでは意図的に冷たい水を浴びる、定期的に水分、塩分補給を行って、夏でも楽しく走れるよう工夫しようと思います。取り急ぎハイドレーションバックを購入したので使ってみたい所さん。

 

それと本書を読んでいて驚いたのが、昼や夕方に比べて朝のほうが湿度が高い=汗をかいても蒸発しない=実は熱中症リスクが高い。ということ。朝は涼しく快適な「イメージ」がありましたが、実はそうでもないようで。夏に限っては夕方から夜にかけての方が、湿度という観点では快適なのでしょう。でも夏場の入道雲を見て走りたい…走りたくない?

 

あと本書で紹介されていたサービスに【MiCATA】というものがあります。ウェザーニュースが提供している、アスリート向け気象ウェブサービスなのですが、自転車で走るルートを登録すると、そのルート上の天気、気温、湿度、風向き、雨雲レーダー、落雷情報。そして熱中症アラートや低温注意報などが表示されるという優れもの。ロングライドする前にルートを登録し、ロングライド中に対象ページにアクセスすると、走る先の気象情報が分かるので使い勝手がいいんじゃないかと思います。会員登録さえすれば無料で使えるのが嬉しい。

 

【MiCATA】

 

ルート入力することで天気、風、気温、湿度、WBGT(暑さ指数)が一目でわかる

そうそう、本書とは別にJISS国立スポーツ科学センターが刊行した「競技者のための暑熱対策ガイドブック」も熱中症対策、暑熱順化方法について詳しく書いてあるのでお勧めです。東京2020オリンピックに向けて作成されたガイドブック、無料で公開されているの助かるラスカル。

 

 https://www.jpnsport.go.jp/jiss/Portals/0/jigyou/pdf/shonetsu_2-23pp.pdf

 https://www.jpnsport.go.jp/jiss/Portals/0/jigyou/pdf/shonetsu-24-43pp.pdf

https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/Portals/0/resources/jiss/athlete%E2%98%86/shonetsu2.pdf