>>1ログ

ロードバイクでゆるポタした日々の記録です( ´∀`)

金子富之さんの作品を見た話

〇はじめに

ちょっと用事があって日本橋を散策していると高島屋を発見。高貴な雰囲気を漂わせている事もあり、気が引けて入ったことのなかった日本橋高島屋。「折角だし、知らない世界を知るもの大事だ。」そう思い高島屋に入店。衣服に家具に骨董品と、売られている商品の値札に記されている数字の大きさにびっくり。お店の入口に必ず店員さんが一人はいること、着こなしがバッチリであることに感嘆しながら店内を見て回っていると、美術画廊Xなる場所を発見。立ち寄ってみると度肝を抜かれる絵があったので記していきます。※写真撮影OKだったのでパシャリ。

 

『黄光飛龍』これ好き。

そこでは金子富之さんという方の個展が開かれていたのですが、実に感動しました。それは、展示されている画がやり直しができない大きなキャンパスに、繊細なタッチで線が描かれていて、線の積み重ねが大きな一枚の龍になっていたからだと考えました。この一枚を書き切るまでにどれくらいの時間がかかったのか…。払った時間と労力、見事のな絵に敬意を。

 

〇どんな画だったのん?

暗靇(くらおかすみ)( ˘ω˘)スヤァの目がかわいい

まず驚いたのが丁寧丁寧丁寧にかかれている線の細さ。遠くから見ると見事な龍ですが、近づいてみてみるとデジタルではなくアナログで、鱗、目、波線。一つ一つの線が丁寧に書かれているんです。高さが2メートル近くもあるキャンパスに大きく書かれた空想の龍が出てくるのが実に良い。丁寧に書かれているからこそ、龍が、本当に生きているかのような迫力を感じました。

なんて綿密な書きっぷりなのだ

 

〇目を引いた画はあった?

中でも目を引いたのが『黄光飛龍(おうこうひりゅう)』。パッと見たとき思ったのが「バオウ・ザケルガだこれ。」でもじっくりと見てみると勿論別物。鹿の角、孔雀の羽に龍の鱗。赤いキャンパスに描かれた黄金の龍がこちらをじっと睨んでいるようで、格好の良いこと良いこと。

『黄光飛龍』赤いキャンパスに金の龍。美しい。

どことなく小布施にある葛飾北斎の八方睨鳳凰図を思わせる良さがあるんですよね‥すごく惹かれました。この絵好き。しかも驚いたのが販売しているということ。お値段なんと594万円。そうだよね、この細かさと存在感を思えばそれくらいするさ。一枚絵ってのは現物にしか無いパワーが有る。写真に納めはしたものの、実物をじっくりと見たときの雰囲気はすべて写しきれていないのが惜しい‥。

 

世の中のお金持ちの方々が一枚絵や掛け軸を購入して家で飾る気持ちが多少理解できました。この作品を堪能できることの誇らしさが購入に駆り立てるんだろうな‥って。

 

〇他には?

『沙羯羅龍王(しゃがらりゅうおう)』もお気に入り。

「下書きは鉛筆?でも近くで見ると鉛筆の跡はない‥じゃあ筆と絵の具とボールペンで下書き無しで描いている?元は白いキャンパスで、黒いところはベタ塗り?金色の線‥あ、これ一本一本描いている‥細かい‥こんなに大きい一枚絵、途中で描き飽きないのかなぁ。構想変わって描き直ししそうだけど、描き切ったんだ。描き始める前にもう、頭にイメージがあって、それを出力したんだろうな‥鱗、爪、龍の体に描かれている模様、なんて細かさ‥。」一つの絵をこれほど繊細に描き切る。かっこいい。

沙羯羅龍王アシンメトリーなのがいいよね…不完全なだからこそ生物と感じる。

並み線模様も鱗も全部手書き。ひょええ…。

〇完走した感想をどうぞ
一つの絵を、それも大きな絵を、構成まで含めるとどれだけの時間をかけたのか。それを作りきって世に出していることに感動しました。

絵を見てここまで心の琴線に触れられたのは、展示スペースが大きすぎなかったこと、近くでじっくりと見れたこと、同じく空間に人が居すぎなかったことがいい方向に働いたからと考えてます。美術館や展覧会だと、どうしても人も展示数も多くて、鑑賞が流れ作業になってしまう。けれど、時間をかけて限られた画をじっくり見れたことが、良かったのだと思います。

事前知識なしで、それも高島屋に入っていなければ、この絵と出会うことはなかったでしょう。立ち寄れてよかった、そんな場所でした。絵をよく見てみる。見る、というより観察してみる。これ大事。いい体験でした。

 

追伸。

ポケモンセンターにも寄ってみました。くぁあわいいなぁ~( ´∀`*)